2017.12.21 Thursday
老化について
先日に引き続いて、店で使っているもう一つの
灯油ストーブも故障。今度も着火装置が馬鹿になり、
燃焼中ずっと「ジーッ」と着火しっぱなしになった。
危険はないようだがうるさくてしょうがないので
サービスセンターに電話して修理を依頼した。
今回も来ていただいたのは、わたしたちが
「左藤玲朗さん」と呼んでいる仙台のサービスマンの方。
「やっぱりイグナイター(着火装置のことか)ですね」というので、
前の修理のときと同じ部品(サービスマンの方の
足元にある黒い部品)を交換。
同じ部品の故障とはいっても、
前回は「着火しない」、今回は
「着火しっぱなし」、というわけで、
どんな現象が出るかは予測が出来ない。
不具合を把握するには、設計以上に
繊細な観察と分析力が必要とされよう。
このような経年による機械の不具合は、
人間に置き換えれば「老化」である。
免疫学者の多田富雄によれば、「不規則性、不連続性、
重層性、非整合性などが老化を特徴づけるキーワードである」
とのこと。一旦老化のフェイズに入ると、
個体の発生の過程に見られる整合性や法則性が
機能しなくなり、システム全体が崩壊に向かって
動き出す。そして、その崩壊までの過程は予測不可能である。
さて、修理が終わった2台のストーブはこれまでと同じように
作動しているけれども、部品の交換が出来ない「わたし」は
ひたすら老化の過程を生きていくしかない。
「わたし」のなかに、相対的にでも老いを免れる領域はないものか。
あるとすれば、「意識」だろうか。